最強・ガス衣類乾燥機

引越しの部屋選びにあたって、必須条件だったのは「ガス衣類乾燥機を設置できること」でした。

まとめ

衣類乾燥機は、消費電力/消費ガス量からみて、今後もガス方式が性能時間ともに最強で、電気式が追いつくことはありえないが、設置場所の問題をクリアする必要がある。

はじめに

衣類乾燥機の種類は、乾燥方式と排出方式の組み合わせといえます。
乾燥方式には、

  • ガス燃焼による熱風によるガス方式
  • 電気ヒーターの熱風による電気方式
  • 新しいものとして松下のヒートポンプによる除湿方式

水分の排出方法は、

  • ガス式は全て室外に直接排気
  • 室内に排出
  • 水冷により液体として排出
  • コンプレッサーの冷却により液体として排出(エアコンと同じ)

があります。

乾燥時間の比較

乾燥に要する時間は、ガスが圧倒的に早いのです。

http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn050926-2/jn050926-2.html
の時間だそうですから、他機種は比べるまでもなさそうです。

しかしどちらも熱風をふきつけるだけ(ヒートポンプは違いますが)なのに、なぜこんな差があり、しかも何十年も差が埋まらないのでしょうか?

答えは単純でした。

松下のガス乾燥機の仕様http://ctlg.national.jp/product/spec.do?pg=06&hb=NH-G50A613によると、消費ガス量は4420Wです。一方、電気式はだいたい1200W程度のものばかり。時間差は当然です。そう、家庭用のコンセントは、通常15Aまで、つまり1500W以下という規格なのです。となれば1500W以上の機器など未来永劫販売できるわけもありません。すなわち、熱乾燥式では今後もガス式が最強

乾燥温度の比較

乾燥と同時に、殺菌も期待しているので、高温が可能なほうがよい。http://kadenfan.hitachi.co.jp/q_a/life_03_07.htmlをみると、乾燥時の温度は約70℃とありますが、送風自体はもっと高温の可能性があります。しかし熱量に限界がありますから、実際の衣類の温度はガス式のほうが上なのは間違いないといえます。

一方で、松下のヒートポンプなどは低温でやさしく乾燥が売りのひとつのようです。高温を求める人間には選択外となりますが、ガス乾燥機もソフト乾燥(低温)機能がありますから、ガスでも同じことができるわけですね。

ヒートポンプ(コンプレッサー)式

高温にならないということを除けば、なかなかよさそうなのですが、やはり乾燥時間が二倍以上と差がありすぎます。衣類から水分が蒸発する速度と、除湿により水分を取り除く速度のどちらがネックになっているのかはわかりませんが、除湿性能が最高(ガスの室外排出は最高ということになります)とすると、蒸発速度は飽和水蒸気圧が高いほど、つまり温度が高いほど速くなりますから、ヒートポンプの60度だとどうやってもガスほどの速度は出ず、原理的な限界として未来永劫ガスのソフト運転程度ということになります。

ガス衣類乾燥機の設置

設置には、ガスコード(ガス用のホース状のものですが、中に金属線がはいっており、両端はワンタッチのコンセントになっています)をガス栓から引くことと、室外に排気することが条件になります。この条件は穴を開けたりできない賃貸だとけっこう厳しいです。

排気は、最初から外に置くか、窓パネルで窓に穴の開いた板をはさむか、都合よく壁に空いているエアコン用などの穴を使う(か穴を開ける)か、ぐらいです。うちではリビングの窓際において、窓パネルで排気しています。

ガス栓については、ベランダ等にガス給湯器があればそこから、あとはコンロの下に栓があることが多いので、ガス屋さんにガス栓の増設をしてもらいます。この料金は定額のようで、どこでも同じ、一口だと5千円ぐらいでしょう。うまくガス栓と本体が同じ部屋にあれば、あとはガスコードでつなぐだけですが、届かないと悲しいところ。東京ガスだと5mまでなのですが、裏技的に、大阪ガスの8mのガスコードも使えます。形状は互換性があり、供給ガス量も明記してあり、範囲内ですから、自己責任でどうぞ。

お値段は本体工事送料込みで10万ちょっとが相場だと思います。最大サイズの5kgタイプをおすすめします。

あとがき

この記事を書いた動機は、友人と話していて、ガス式が電気式に対して機能的に優れている現状を説明できないのだろうかと思ったからでしたが、ごく単純なものでした。以上東京ガスの手先がお送りしました。(しかし東京ガスは、衣類乾燥機は宣伝する気はなさそうで、床暖房や浴室乾燥に活路をみいだそうとしているようですね・・・ビルトインもののほうがもうかりそうだからな。)